クリス・スクワイヤ
自分の姿を覚えた時から高校1年くらいまで
学年で一番か二番の太っちょだった
男三兄弟の長男
内弁慶の外すぼみ
それでも
小学校は友だちもいて
親のおかげで不自由もなく
中一の4月まではそんな感じ
同級生は小学校からの友だちと
違う学区から来た生徒たち
だけど
新しい友だちの名を覚える前に転校
4月までの不良は
普通の制服に色つきシャツ
5月からのそいつらは
見たこともない制服に茶色や金の髪の毛だ
何か違った
内気で無口な太っちょに
声をかけてくれる人は少なく
朝家を出て学校終わって帰るまで
誰とも一言も
言葉を交わさない毎日
なにか話せる友達を作ろうと
思えば思うほど
自分の殻を閉ざしてしまう
そんな日々は面白くなく
でも家には自分の居場所があった
家族に感謝だ
祖母の影響か音楽は好きだった
父親は流行ってた
ポール・モーリアのレコードかけてたり
それも好きだった
小さなラジオを買ってもらって
いつも聴いてた
洋楽との出会いだ
これは欠かさず聴いた
そしてある日番組で曲がかかった
目の前が
「バーン」
と開けた
イエスのトーマトだった
お小遣いを貯めながらレコードを買った
こわれもの
危機
イエスソングス
海洋地形上の物語
現実から離れ
イエスのレコードを聴いて
自分はその中にいた
なにがそんなに自分を惹きつけるのか考えた
それはもちろん楽曲なんだけど
そのなかで一番カッコ良かったのが
クリス・スクワイヤのベースだ
ROCKに出会った
出会えた
彼のベースが自分を連れて行ってくれた
ジャケットに写ってる姿もたまらなくカッコ良かった
そう
面白くない日々をROCKしてくれたのは
クリス・スクワイヤのベースだったんだ!
あなたとイエスというバンドに出会わなければ
自分はどうなっていたのか
わからない
ありがとうございます
安らかに